2020年5月2日土曜日

冠詞の話:a と the の違い(その2)

a と the の違いについては以前にも「I am the researcherと名乗る時」で解説しました。
きょうお送りする(その2)はマジックに登場する卵を例にお話します。それでは、音声でお聞きください。
(音声が再生できないかたは、このページ下のテキストをご覧ください。)



音声を聞く






























解答 最初の「Oh, here is (     ) carrot.」の空欄には「a 」が次の「Oh, here is (     ) carrot.」の空欄には「the」が入ります。最初のニンジンは初めて出会った見知らぬニンジンだから不定冠詞が、次のニンジンはどこかで落としてしまいあなたが探していた(特定された)ニンジンだから定冠詞がつくのですね。



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宮本惠子です。今日は冠詞の「a」と「the」の違いについて考えてみたいと思います。

さて、皆さんの目の前に今一人のマジシャンが立っています。白い卵を1つ私たちに見せながら彼は言います「ここに卵があります」。次に彼がそれを空中高く放り投げると、あれ?卵は消えてしまいました。両手を組み、しばらく考えているマジシャン。ふと右のそで口を私たちの方に向けると、そこには何か白いものがのぞいています。おもむろに取り出した卵を見せながら彼は言います「卵はここにありました」。

それではマジシャンのセリフを英語にしてみましょう。

最初のセリフ「ここに卵があります。」これは「Here is an egg.」ですね。なんの変哲も無いただの卵。初めて登場した卵なので不定冠詞の「an」がつきます。 

最後のセリフ「たまごはここにありました。」これは「Here is the egg.」このたまごは皆が知っている例の消えた卵です。だから定冠詞「the」がつくのです。


a と the の違いってこういうことなんですね。何の変哲も無いただの卵は不定冠詞の「an」。たくさんあるもののうちの一つ。ということ。一方、たった一つだけの特別な存在、これを特定されている、と言いますが、そういう名詞には定冠詞がつくのです。

では、最後に問題を解いてみてください。

道をあるいていると、人参が一本落ちていました。なんでこんなところに人参が落ちているの?と訝しがりながら、あなたが言う一言。

「Oh, here is (     ) carrot.」

市場から帰ると、買い物かごから人参が一本消えていました。帰り道のどこかで落としてしまったようです。探していると、ようやく見つかりました。ほっとしたあなたが言う一言。

「Oh, here is (     ) carrot.」


解答はこのページの下に載せてあります。

これで a と the の違い(その2)を終わります。