2018年12月5日水曜日

物質名詞が普通名詞になるとき

以前このブログで抽象名詞が普通名詞として使われる場合(Temperature(温度)に冠詞はつくの?)を解説しました.

今日は物質名詞が普通名詞になるというお話.

コーヒーに入れる砂糖(sugar) は日常生活では物質名詞として使われていて無冠詞です.

例えば,

「私はお茶に砂糖を入れる.」は

「I put sugar in my tea.」ですね.

このように日常生活ではもっぱら「砂糖(ショ糖)」として使われるている「sugar」ですが,科学の分野では「糖(saccharide)」の意味で使われることがあり,その場合は普通名詞になるのです.つまり,不定冠詞の「a」がつくし,複数にもなります.

例えば,

「ブドウ糖や果糖,ガラクトースは単糖である」は

「Glucose, fructose and galactose are simple sugars.」 となります.

2018年11月29日配信の「Scientific American Daily Digest」に「The Biology of Sugars Points to a Sweet Strategy for Treating Cancerという記事が載っていました.

ここでは「sugar」が複数になっていますね.何種類かの糖ということを示しています.
また「sweet」には甘い,という意味の他に「素敵な,素晴らしい」という意味があり,「sugar」が甘いこと,にかけたお洒落なタイトルになっています.

糖類の研究から素晴らしい癌の治療法が見えてきた,というわけですね. 


===================================  KM 
「物質名詞や抽象名詞が可算名詞になるとき」は化学英語30講の16講(p85) で解説しています.

2018年8月18日土曜日

英語で元素を正しく発音したい方へ

元素記号は1814年にベルセリウスが考案したものに基づき,ラテン語の1,2文字をとって作られました.

ただ,実際のところ,そのほとんどは英語名の最初の1,2文字と同じです.例外は
Na(ナトリウム,英語名はsodium),K(カリウム,英語名はpotassium),Pb(鉛,英語名はlead(発音はリードではなくてレッド),Cu(銅,英語名はcopper),W(タングステン,英語名はtungsten),Fe(鉄,英語名はiron)などです.(化学英語30講p31 ~ p32)

化学英語を聞き取るための第一歩は正しい発音を知ること.
例えば「水素」は「hydrogen」ですが,「ハイドロゲン」ではありません.「ハイドルジェン」と発音します.

ハロゲンも間違いで,ハロジェンが正しいのです.

そんなわけで,元素の発音は意外に難しいのですが,元素は何と言っても化学の基本です.

と思っていたら,周期表を見ながら元素の発音を聞くことのできるビデオがYouTubeにアップロードされていたのでご紹介します.

ぜひご自分でも声を出して,練習してみてください.

YouTubeのビデオを見る


2017年11月16日木曜日

生じた沈殿は a resulting precipitate? それとも a resulted precipitate?

動詞から作る形容詞には2種類あります.

1)動詞の現在分詞形を使うもの,と
2)過去分詞形を使うもの,です.

1)の例を挙げると a reducing agent (還元剤)
2)の例を挙げると the shown figure (示されている図)

では,どんな時に現在分詞形(~ing)を用いるかというと,文章にした時に,修飾されている名詞が動詞の主語である場合です.

1)の例を文章にすると An agent reduces.(薬品は還元する.)
  ここで,agentは動詞reduceの主語になっています.


一方,過去分詞形(~ed)を用いるのは,文章にした時にも動詞が過去分詞形で使われる場合です.

2)の例を文章にすると the figure is shown (図が示される.)となり,showという動詞は過去分詞形で使われています.

 この場合は修飾されている名詞 figureが動詞 showの目的語になっているとも言えます.

 I show the figure. → the figure is shown (by me)

それでは「生じた沈殿」は英語でどう言えば良いでしょう?
まず「沈殿(precipitate)が生じる(result)」という文を作ってから考えてください.




















沈殿(precipitate)が生じる(result)は「A precipitate results.」ですね.

さて,ここでprecipitateresultsの主語になっているので,

正解は「A resulting precipitate」となります.

参考:「化学英語30講」より第17講 動詞から作る形容詞


2017年11月13日月曜日

自動詞から受け身は作れない

化学英語では「受け身の表現が多用される」ということはご存知ですか?

例えば「化合物Aを合成した」という文章は

「I synthesized Compound A.」と書くよりは

「Compound A was synthesized.」とする方が自然です.

なぜか? ここで重要な情報としては「化合物Aができた」ということであって「誰が」合成したかはどうでも良いから.

明瞭(clear)で正確(correct)で簡潔(concise)であることが求められる化学英語は内容が明瞭かつ正確に伝わる限り,短い方が良いのです.

日本語では「私」を省いて「化合物Aを合成した」という文章を作ることができますが,英語では主語「I」を省けないので,物質を主語とした受け身が使われるわけです.

ところで「化学英語では受け身の表現が多用される」ということに慣れてきた方にとっての思いがけない落とし穴が「自動詞を受け身にしてしまうパターン」

それではここで質問です.
「中和反応が起こった」の英訳は次のどちらが正しいでしょうか?

A. A neutralization reaction was occurred.

B. A neutralization reaction occurred.





















答え Bの「A neutralization reaction occurred.」が正しい.occurは自動詞なので,受け身を作ることはできません.


参考)「化学英語30講」73ページ

2017年10月6日金曜日

ブログ「授業」の内容が本になりました

ブログ「授業」で扱った文法事項が全て,さらにパワーアップして本になりました.
 
「化学英語30講」は来週発売されます.

文法事項の他に,リーディングとリスニングも追加.

手書きの鳥のイラストは私の自画像です(ちょっと可愛すぎ?)

ぜひ,お近くの書店で,あるいはインターネットでご覧になってください.

朝倉書店のサイトへ)発売日10月10日

アマゾンのサイトへ)発売日10月13日(予約受付中)

Amazon.co.jpでは海外への発送も行っています.新本(定価2592円)を選択し,発送先に海外をお選びください.

2016年8月31日水曜日

複合名詞(Noun Compounds)上級編




では、もう少し複合名詞を作ってみましょう。

 例題)A screw jack operated by a machine →  A machine screw jack

A process by which gold is separated from other metals. 
The product of the reaction, which is red. 
An exit designed for emergency use. 
Filters designed to process dust from air. 

解答はこのページの下にあります。





















複合名詞の解答

A process by which gold is separated from other metals. → A gold separation process
The product of the reaction, which is red. → The red reaction product
An exit designed for emergency use. → An emergency exit
Filters designed to process dust from air. → Air filters



基になっている名詞(例えばA process by which gold is separated from other metalsでいうとprocess)は、頭(head)にあるので、head nounと呼ばれます。
複合名詞になったとき、head nounは変化せず、単数は単数のまま、複数は複数のままです。head nounについていた冠詞も変化せず、そのまま移動します。そのhead nounの冠詞とhead noun自身の間に、head nounを修飾する他の名詞が置かれますが、その際、前置詞や冠詞は省かれます。

複合名詞はなかなか複雑。

あらためて、詳しく解説します。


Noun Compounds、あえて日本語に訳せば「複合名詞」なのですが、日本語の「複合名詞」と完全に同じものというわけではありません。英語のNoun Compoundsは、ひとことで言えば、複数の名詞を組み合わせて、新しい名詞を作ること。あるいは、名詞句から、前置詞や冠詞などをとっぱらって、名詞だけの組み合わせにして同じ内容を表すこと。と言ってもよいでしょう。科学英語では、より少ない語数でより簡潔に、表現することが求められるので、Noun CompoundsはScientificな文章、とくに書き言葉で、大変よく使われています。


2012年9月7日金曜日

翻訳の授業を始めたものの、すっかり開店休業状態になってしまっていてごめんなさい。
9月は国際会議と国内会議の両方に参加することになり、しばらく手一杯なので、この授業は10月から再開いたします。よろしくお願いいたします。

明日からスペインのバレンシアで開かれる国際会議ICCC40(International Conference on Coordination Chemistry)に参加します。blogの頁にリアルタイムで情報をお伝えする予定ですので、よろしければそちらもご覧ください。