複雑な長い文を読み解くためのコツ(その1)で、まずは動詞に注目する、と述べました。そこで大切になるのが「その文の述語となっている動詞を見抜く」ことです。
というのも、動詞は「~ing」や「~ed」の形で形容詞として名詞を修飾していることも多いからです。長い文の中にいくつもの動詞が出てきた場合は、まず動詞の形に注目し、形容詞として名詞を修飾している動詞と本来の動詞の働きをしている(述語となっている)動詞を区別しましょう。
例えば、次の文を見てみましょう。
Blossoms exposed to silence and high-frequency waves produced the baseline amount of sugar expected in their nectar.
ここにはexposed, produced, expectedという3つの動詞が登場します。このうちのどれが形容詞になった動詞で、どれがこの文の述語なのでしょうか?
最初のexposedが述語だとすると、主語はBlossomsですが、Blossoms(S)exposed(V)は「花はさらした」となり、何をさらしたのか、目的語がないため、意味が通じません。つまり、ここは主語と述語の関係ではありません。
exposedは「さらされた」という意味の形容詞として前のblossomsを修飾しているのです。
Blossoms exposed to silence → Blossoms (which were) exposed to silence → 無音にさらされた花
次のproducedは述語です。その前のblossoms exposed to silence and high-frequency wavesが主部で、主語はblossoms。 目的語は sugar(さまざまな修飾語を省くと骨格は下記のようになります)
Blossoms ..............produced ......sugar (=花は糖を作り出した)
最後のexpectedが述語だとすると、主語はsugarになり、 sugar (S)expected (V)は「糖は期待した」となり、何を期待したのか、目的語がないため、やはり意味が通じません。つまり、ここも主語と動詞の関係ではなく、expectedは「期待される」という意味の形容詞としてその前のsugarを修飾しています。
sugar expected in their nectar→sugar (which was) expected in their nectar→蜜の中に期待される糖
ここでは動詞の過去分詞形「~ed」を例に解説しましたが、動詞の現在分詞形「~ing」でも同様です。その動詞は述語ではなく、前の名詞を修飾している形容詞ではないか?と考えてみることが大切です。
2020年6月28日日曜日
複雑な長い文を読み解くためのコツ(その1)
情報を正確に(correct)、明瞭に(clear)、簡潔に(concise)伝えるのがモットーの科学英語では、同じ内容の情報を伝えることができるのであれば、文は短く、語数は少ないほうが望ましいのです。
ただし、科学英語では1概念を1文にまとめるため、1文が長くなる傾向があります。
長い文に戸惑ったときはまず動詞に注目しましょう。例えば次の文をご覧ください。
The rapid increase in the number of known organic compounds during the nineteenth century made the problem of keeping up with knowledge about them more and more formidable.
(化学英語30講、第13講より)
一見複雑な文ですが、動詞は made 1つのみ。
The rapid increase in the number of known organic compounds during the nineteenth century made the problem of keeping up with knowledge about them more and more formidable.
そこで made の前までが主語に相当する部分とわかります。
The rapid increase in the number of known organic compounds during the nineteenth century
主語は the increase (増加)で、残りは飾りです。
rapid(急速な)、in the number of (数の)known organic compounds(既知の有機化合物), during the nineteenth century(19世紀における)
madeの後には動詞の目的語に相当するthe problem (問題)、目的格補語に相当する more and more formidable (ますます困難に)が続き、のこりは飾りです。of keeping up with knowledge about them(これらに関する知識を常に最新に維持する)
つまりこの文は S + V + O + C の第五文型 なのです。
訳文:19世紀になると既知の有機化合物の数が急速に増加し、これらに関する知識を常に最新に維持するのが、ますます困難になった。
このように、長い文ではまず動詞(V)に注目し、動詞の前までが主語(S)と見抜きましょう。動詞の後に補語(C)や目的語(O)が続きますが、結局のところ、英語の文の構造はたった5種類しかないのです。
S+V
S+V+C
S+V+O
S + V + O + O
S + V + O + C
ただし、科学英語では1概念を1文にまとめるため、1文が長くなる傾向があります。
長い文に戸惑ったときはまず動詞に注目しましょう。例えば次の文をご覧ください。
The rapid increase in the number of known organic compounds during the nineteenth century made the problem of keeping up with knowledge about them more and more formidable.
(化学英語30講、第13講より)
一見複雑な文ですが、動詞は made 1つのみ。
The rapid increase in the number of known organic compounds during the nineteenth century made the problem of keeping up with knowledge about them more and more formidable.
そこで made の前までが主語に相当する部分とわかります。
The rapid increase in the number of known organic compounds during the nineteenth century
主語は the increase (増加)で、残りは飾りです。
rapid(急速な)、in the number of (数の)known organic compounds(既知の有機化合物), during the nineteenth century(19世紀における)
madeの後には動詞の目的語に相当するthe problem (問題)、目的格補語に相当する more and more formidable (ますます困難に)が続き、のこりは飾りです。of keeping up with knowledge about them(これらに関する知識を常に最新に維持する)
つまりこの文は S + V + O + C の第五文型 なのです。
訳文:19世紀になると既知の有機化合物の数が急速に増加し、これらに関する知識を常に最新に維持するのが、ますます困難になった。
このように、長い文ではまず動詞(V)に注目し、動詞の前までが主語(S)と見抜きましょう。動詞の後に補語(C)や目的語(O)が続きますが、結局のところ、英語の文の構造はたった5種類しかないのです。
S+V
S+V+C
S+V+O
S + V + O + O
S + V + O + C
2020年5月2日土曜日
冠詞の話:a と the の違い(その2)
a と the の違いについては以前にも「I am the researcherと名乗る時」で解説しました。
きょうお送りする(その2)はマジックに登場する卵を例にお話します。それでは、音声でお聞きください。
(音声が再生できないかたは、このページ下のテキストをご覧ください。)
音声を聞く
解答 最初の「Oh, here is ( ) carrot.」の空欄には「a 」が次の「Oh, here is ( ) carrot.」の空欄には「the」が入ります。最初のニンジンは初めて出会った見知らぬニンジンだから不定冠詞が、次のニンジンはどこかで落としてしまいあなたが探していた(特定された)ニンジンだから定冠詞がつくのですね。
*************************** *****************************
************************** 音声レクチャー原稿 ****************************
*************************** *****************************
宮本惠子です。今日は冠詞の「a」と「the」の違いについて考えてみたいと思います。
さて、皆さんの目の前に今一人のマジシャンが立っています。白い卵を1つ私たちに見せながら彼は言います「ここに卵があります」。次に彼がそれを空中高く放り投げると、あれ?卵は消えてしまいました。両手を組み、しばらく考えているマジシャン。ふと右のそで口を私たちの方に向けると、そこには何か白いものがのぞいています。おもむろに取り出した卵を見せながら彼は言います「卵はここにありました」。
それではマジシャンのセリフを英語にしてみましょう。
最初のセリフ「ここに卵があります。」これは「Here is an egg.」ですね。なんの変哲も無いただの卵。初めて登場した卵なので不定冠詞の「an」がつきます。
最後のセリフ「たまごはここにありました。」これは「Here is the egg.」このたまごは皆が知っている例の消えた卵です。だから定冠詞「the」がつくのです。
a と the の違いってこういうことなんですね。何の変哲も無いただの卵は不定冠詞の「an」。たくさんあるもののうちの一つ。ということ。一方、たった一つだけの特別な存在、これを特定されている、と言いますが、そういう名詞には定冠詞がつくのです。
では、最後に問題を解いてみてください。
道をあるいていると、人参が一本落ちていました。なんでこんなところに人参が落ちているの?と訝しがりながら、あなたが言う一言。
「Oh, here is ( ) carrot.」
市場から帰ると、買い物かごから人参が一本消えていました。帰り道のどこかで落としてしまったようです。探していると、ようやく見つかりました。ほっとしたあなたが言う一言。
「Oh, here is ( ) carrot.」
解答はこのページの下に載せてあります。
これで a と the の違い(その2)を終わります。
きょうお送りする(その2)はマジックに登場する卵を例にお話します。それでは、音声でお聞きください。
(音声が再生できないかたは、このページ下のテキストをご覧ください。)
音声を聞く
解答 最初の「Oh, here is ( ) carrot.」の空欄には「a 」が次の「Oh, here is ( ) carrot.」の空欄には「the」が入ります。最初のニンジンは初めて出会った見知らぬニンジンだから不定冠詞が、次のニンジンはどこかで落としてしまいあなたが探していた(特定された)ニンジンだから定冠詞がつくのですね。
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************************** 音声レクチャー原稿 ****************************
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宮本惠子です。今日は冠詞の「a」と「the」の違いについて考えてみたいと思います。
さて、皆さんの目の前に今一人のマジシャンが立っています。白い卵を1つ私たちに見せながら彼は言います「ここに卵があります」。次に彼がそれを空中高く放り投げると、あれ?卵は消えてしまいました。両手を組み、しばらく考えているマジシャン。ふと右のそで口を私たちの方に向けると、そこには何か白いものがのぞいています。おもむろに取り出した卵を見せながら彼は言います「卵はここにありました」。
それではマジシャンのセリフを英語にしてみましょう。
最初のセリフ「ここに卵があります。」これは「Here is an egg.」ですね。なんの変哲も無いただの卵。初めて登場した卵なので不定冠詞の「an」がつきます。
最後のセリフ「たまごはここにありました。」これは「Here is the egg.」このたまごは皆が知っている例の消えた卵です。だから定冠詞「the」がつくのです。
a と the の違いってこういうことなんですね。何の変哲も無いただの卵は不定冠詞の「an」。たくさんあるもののうちの一つ。ということ。一方、たった一つだけの特別な存在、これを特定されている、と言いますが、そういう名詞には定冠詞がつくのです。
では、最後に問題を解いてみてください。
道をあるいていると、人参が一本落ちていました。なんでこんなところに人参が落ちているの?と訝しがりながら、あなたが言う一言。
「Oh, here is ( ) carrot.」
市場から帰ると、買い物かごから人参が一本消えていました。帰り道のどこかで落としてしまったようです。探していると、ようやく見つかりました。ほっとしたあなたが言う一言。
「Oh, here is ( ) carrot.」
解答はこのページの下に載せてあります。
これで a と the の違い(その2)を終わります。
2018年12月5日水曜日
物質名詞が普通名詞になるとき
以前このブログで抽象名詞が普通名詞として使われる場合(Temperature(温度)に冠詞はつくの?)を解説しました.
今日は物質名詞が普通名詞になるというお話.
コーヒーに入れる砂糖(sugar) は日常生活では物質名詞として使われていて無冠詞です.
例えば,
「私はお茶に砂糖を入れる.」は
「I put sugar in my tea.」ですね.
このように日常生活ではもっぱら「砂糖(ショ糖)」として使われるている「sugar」ですが,科学の分野では「糖(saccharide)」の意味で使われることがあり,その場合は普通名詞になるのです.つまり,不定冠詞の「a」がつくし,複数にもなります.
例えば,
「ブドウ糖や果糖,ガラクトースは単糖である」は
「Glucose, fructose and galactose are simple sugars.」 となります.
2018年11月29日配信の「Scientific American Daily Digest」に「The Biology of Sugars Points to a Sweet Strategy for Treating Cancerという記事が載っていました.
ここでは「sugar」が複数になっていますね.何種類かの糖ということを示しています.
また「sweet」には甘い,という意味の他に「素敵な,素晴らしい」という意味があり,「sugar」が甘いこと,にかけたお洒落なタイトルになっています.
糖類の研究から素晴らしい癌の治療法が見えてきた,というわけですね.
=================================== KM
「物質名詞や抽象名詞が可算名詞になるとき」は化学英語30講の16講(p85) で解説しています.
今日は物質名詞が普通名詞になるというお話.
コーヒーに入れる砂糖(sugar) は日常生活では物質名詞として使われていて無冠詞です.
例えば,
「私はお茶に砂糖を入れる.」は
「I put sugar in my tea.」ですね.
このように日常生活ではもっぱら「砂糖(ショ糖)」として使われるている「sugar」ですが,科学の分野では「糖(saccharide)」の意味で使われることがあり,その場合は普通名詞になるのです.つまり,不定冠詞の「a」がつくし,複数にもなります.
例えば,
「ブドウ糖や果糖,ガラクトースは単糖である」は
「Glucose, fructose and galactose are simple sugars.」 となります.
2018年11月29日配信の「Scientific American Daily Digest」に「The Biology of Sugars Points to a Sweet Strategy for Treating Cancerという記事が載っていました.
ここでは「sugar」が複数になっていますね.何種類かの糖ということを示しています.
また「sweet」には甘い,という意味の他に「素敵な,素晴らしい」という意味があり,「sugar」が甘いこと,にかけたお洒落なタイトルになっています.
糖類の研究から素晴らしい癌の治療法が見えてきた,というわけですね.
=================================== KM
「物質名詞や抽象名詞が可算名詞になるとき」は化学英語30講の16講(p85) で解説しています.
2018年8月18日土曜日
英語で元素を正しく発音したい方へ
元素記号は1814年にベルセリウスが考案したものに基づき,ラテン語の1,2文字をとって作られました.
ただ,実際のところ,そのほとんどは英語名の最初の1,2文字と同じです.例外は
Na(ナトリウム,英語名はsodium),K(カリウム,英語名はpotassium),Pb(鉛,英語名はlead(発音はリードではなくてレッド),Cu(銅,英語名はcopper),W(タングステン,英語名はtungsten),Fe(鉄,英語名はiron)などです.(化学英語30講p31 ~ p32)
化学英語を聞き取るための第一歩は正しい発音を知ること.
例えば「水素」は「hydrogen」ですが,「ハイドロゲン」ではありません.「ハイドルジェン」と発音します.
ハロゲンも間違いで,ハロジェンが正しいのです.
そんなわけで,元素の発音は意外に難しいのですが,元素は何と言っても化学の基本です.
と思っていたら,周期表を見ながら元素の発音を聞くことのできるビデオがYouTubeにアップロードされていたのでご紹介します.
ぜひご自分でも声を出して,練習してみてください.
YouTubeのビデオを見る
ただ,実際のところ,そのほとんどは英語名の最初の1,2文字と同じです.例外は
Na(ナトリウム,英語名はsodium),K(カリウム,英語名はpotassium),Pb(鉛,英語名はlead(発音はリードではなくてレッド),Cu(銅,英語名はcopper),W(タングステン,英語名はtungsten),Fe(鉄,英語名はiron)などです.(化学英語30講p31 ~ p32)
化学英語を聞き取るための第一歩は正しい発音を知ること.
例えば「水素」は「hydrogen」ですが,「ハイドロゲン」ではありません.「ハイドルジェン」と発音します.
ハロゲンも間違いで,ハロジェンが正しいのです.
そんなわけで,元素の発音は意外に難しいのですが,元素は何と言っても化学の基本です.
と思っていたら,周期表を見ながら元素の発音を聞くことのできるビデオがYouTubeにアップロードされていたのでご紹介します.
ぜひご自分でも声を出して,練習してみてください.
YouTubeのビデオを見る
2017年11月16日木曜日
生じた沈殿は a resulting precipitate? それとも a resulted precipitate?
動詞から作る形容詞には2種類あります.
1)動詞の現在分詞形を使うもの,と
2)過去分詞形を使うもの,です.
1)の例を挙げると a reducing agent (還元剤)
2)の例を挙げると the shown figure (示されている図)
では,どんな時に現在分詞形(~ing)を用いるかというと,文章にした時に,修飾されている名詞が動詞の主語である場合です.
1)の例を文章にすると An agent reduces.(薬品は還元する.)
ここで,agentは動詞reduceの主語になっています.
一方,過去分詞形(~ed)を用いるのは,文章にした時にも動詞が過去分詞形で使われる場合です.
2)の例を文章にすると the figure is shown (図が示される.)となり,showという動詞は過去分詞形で使われています.
この場合は修飾されている名詞 figureが動詞 showの目的語になっているとも言えます.
I show the figure. → the figure is shown (by me)
それでは「生じた沈殿」は英語でどう言えば良いでしょう?
まず「沈殿(precipitate)が生じる(result)」という文を作ってから考えてください.
沈殿(precipitate)が生じる(result)は「A precipitate results.」ですね.
さて,ここでprecipitateはresultsの主語になっているので,
正解は「A resulting precipitate」となります.
参考:「化学英語30講」より第17講 動詞から作る形容詞
参考:「化学英語30講」より第17講 動詞から作る形容詞
2017年11月13日月曜日
自動詞から受け身は作れない
化学英語では「受け身の表現が多用される」ということはご存知ですか?
例えば「化合物Aを合成した」という文章は
「I synthesized Compound A.」と書くよりは
「Compound A was synthesized.」とする方が自然です.
なぜか? ここで重要な情報としては「化合物Aができた」ということであって「誰が」合成したかはどうでも良いから.
明瞭(clear)で正確(correct)で簡潔(concise)であることが求められる化学英語は内容が明瞭かつ正確に伝わる限り,短い方が良いのです.
日本語では「私」を省いて「化合物Aを合成した」という文章を作ることができますが,英語では主語「I」を省けないので,物質を主語とした受け身が使われるわけです.
ところで「化学英語では受け身の表現が多用される」ということに慣れてきた方にとっての思いがけない落とし穴が「自動詞を受け身にしてしまうパターン」
それではここで質問です.
「中和反応が起こった」の英訳は次のどちらが正しいでしょうか?
A. A neutralization reaction was occurred.
B. A neutralization reaction occurred.
答え Bの「A neutralization reaction occurred.」が正しい.occurは自動詞なので,受け身を作ることはできません.
参考)「化学英語30講」73ページ
例えば「化合物Aを合成した」という文章は
「I synthesized Compound A.」と書くよりは
「Compound A was synthesized.」とする方が自然です.
なぜか? ここで重要な情報としては「化合物Aができた」ということであって「誰が」合成したかはどうでも良いから.
明瞭(clear)で正確(correct)で簡潔(concise)であることが求められる化学英語は内容が明瞭かつ正確に伝わる限り,短い方が良いのです.
日本語では「私」を省いて「化合物Aを合成した」という文章を作ることができますが,英語では主語「I」を省けないので,物質を主語とした受け身が使われるわけです.
ところで「化学英語では受け身の表現が多用される」ということに慣れてきた方にとっての思いがけない落とし穴が「自動詞を受け身にしてしまうパターン」
それではここで質問です.
「中和反応が起こった」の英訳は次のどちらが正しいでしょうか?
A. A neutralization reaction was occurred.
B. A neutralization reaction occurred.
答え Bの「A neutralization reaction occurred.」が正しい.occurは自動詞なので,受け身を作ることはできません.
参考)「化学英語30講」73ページ
2017年10月6日金曜日
ブログ「授業」の内容が本になりました
2016年8月31日水曜日
複合名詞(Noun Compounds)上級編
では、もう少し複合名詞を作ってみましょう。
例題)A screw jack operated by a machine → A machine screw jack
A process by which gold is separated from other metals. →
The product of the reaction, which is red. →
An exit designed for emergency use. →
Filters designed to process dust from air. →
解答はこのページの下にあります。
複合名詞の解答
A process by which gold is separated from other metals. → A gold separation process
The product of the reaction, which is red. → The red reaction product
An exit designed for emergency use. → An emergency exit
Filters designed to process dust from air. → Air filters
基になっている名詞(例えばA process by which gold is separated from other metalsでいうとprocess)は、頭(head)にあるので、head nounと呼ばれます。
複合名詞になったとき、head nounは変化せず、単数は単数のまま、複数は複数のままです。head nounについていた冠詞も変化せず、そのまま移動します。そのhead nounの冠詞とhead noun自身の間に、head nounを修飾する他の名詞が置かれますが、その際、前置詞や冠詞は省かれます。
複合名詞はなかなか複雑。
あらためて、詳しく解説します。
Noun Compounds、あえて日本語に訳せば「複合名詞」なのですが、日本語の「複合名詞」と完全に同じものというわけではありません。英語のNoun Compoundsは、ひとことで言えば、複数の名詞を組み合わせて、新しい名詞を作ること。あるいは、名詞句から、前置詞や冠詞などをとっぱらって、名詞だけの組み合わせにして同じ内容を表すこと。と言ってもよいでしょう。科学英語では、より少ない語数でより簡潔に、表現することが求められるので、Noun CompoundsはScientificな文章、とくに書き言葉で、大変よく使われています。
2012年9月7日金曜日
2012年7月26日木曜日
翻訳のすすめ
科学英語から少し離れるかもしれませんが、英語力を高める一つの手段が翻訳ではないかと私は思っています。
みなさんには、これまでにたくさんの「英文和訳」の経験があることと思いますが、翻訳と英文和訳は違います。
英語で書かれている「情報」をすべて日本語に移すこと。ニュアンスも含めて。
それが翻訳。
つまりその英語を英国人が読んだときに受け取る情報と同じだけの情報をその日本語を読んだ日本人に伝えること。それが翻訳だと思うのです。(むずかしいことですが。。。)
翻訳をしてみると、自分がその英文をどれだけ正確に読み取っているかがわかります。
英語の意味はわかるのだけど、どうしても日本語にならない、と思うときには、もう一度その英文を読んでみてください。わかったつもりになっていたけど、実はわかっていなかったことに気づく事も多いのです。
さて、前置きはこのくらいにして、早速翻訳にチャレンジしてみませんか?
下の文章は英国のオクスフォード大学出版局が発行した「The New Encyclopedia of Science」シリーズからとった「司法化学」という一節です。学生から一般の社会人まで、最新の化学的知識に触れたいと思う人たちを対象にしているこの本。とても読みやすくて面白いですよ。
来週、日本語訳を掲載します。
みなさんには、これまでにたくさんの「英文和訳」の経験があることと思いますが、翻訳と英文和訳は違います。
英語で書かれている「情報」をすべて日本語に移すこと。ニュアンスも含めて。
それが翻訳。
つまりその英語を英国人が読んだときに受け取る情報と同じだけの情報をその日本語を読んだ日本人に伝えること。それが翻訳だと思うのです。(むずかしいことですが。。。)
翻訳をしてみると、自分がその英文をどれだけ正確に読み取っているかがわかります。
英語の意味はわかるのだけど、どうしても日本語にならない、と思うときには、もう一度その英文を読んでみてください。わかったつもりになっていたけど、実はわかっていなかったことに気づく事も多いのです。
さて、前置きはこのくらいにして、早速翻訳にチャレンジしてみませんか?
下の文章は英国のオクスフォード大学出版局が発行した「The New Encyclopedia of Science」シリーズからとった「司法化学」という一節です。学生から一般の社会人まで、最新の化学的知識に触れたいと思う人たちを対象にしているこの本。とても読みやすくて面白いですよ。
来週、日本語訳を掲載します。
2012年1月17日火曜日
動詞が形容詞として使われるとき
コンパクトでクリアーな文章が好まれる科学英語では、関係代名詞を用いずに、動詞が分詞の形で名詞を修飾することが多々あります。
とくに一文が長くなる傾向がある論文では多用されています。
A series of nickel(II) complexes comprising N,N,N',N'-tetramethylethylenediamine (tmen), benzoylacetonate (bzac), and a halide anion (X), Ni(tmen)(bzac)Xn(H2O)(n=1~4, X= Cl, Br, I), have been synthesized.
論文のアブストラクトの最初の1行ですが、comprisingという現在分詞により5文型中最も単純な第1文型(S + V)となっています。(関係代名詞を使うと複文になる)
つまり、主部は
A series of nickel(II) complexes comprising N,N,N',N'-tetramethylethylenediamine (tmen), benzoylacetonate (bzac), and a halide anion (X), Ni(tmen)(bzac)Xn(H2O)(n=1~4, X= Cl, Br, I),
述部は
have been synthesized.
(Publicationsの「論文ダウンロード」をクリックすると全文を見ることができます)
さて、それでは動詞を形容詞として使うときに注意するべき点は何でしょう?
それは現在分詞と過去分詞のどちらを選ぶのか、ということです。
選択に迷ったときには、進行形と受動態を作ってあてはめ、文意に合うかどうかを見てみましょう。
例えば 「酸化剤」というのは「酸化する」「剤」(薬)ということなので
An agent which is oxidizing. → An oxidizing agent となります。
逆に「酸化アルミニウム」というのは「酸化された」「アルミニウム」なので
Aluminum which is oxidized. → Oxidized aluminum となります。
それでは、生じた沈殿は英語にするとどうなりますか?
「生じる」に「result」や「occur」などの「自動詞」を用いると、
A precipitate which is resulting (occurring). → resulting (occurring) precipitate
一方、「生じる」に「produce」や「generate」などの「他動詞」を用いると、
A precipitate which is produced (generated). →produced (generated) precipitate
となります。
もう一つ、気をつけたいのは、過去分詞を置く位置。通常は名詞の後に置きますが、名詞の前に置くか、後に置くかで意味が変わることもあるのです。
それでは質問です。「使用した溶媒(solvent)」。次のどちらが正しい表現ですか?
1。 a used solvent
2。 a solvent used
正解は2。
1は「使用済みの溶媒」という意味になってしまいます。Used cars(中古車)が「使った車」という意味にならないのと同じです。
おまけのひとこと。
「An oxidizing agent」は「An oxidation agent」と複合名詞でも表現できます。
「An oxidizing agent」は「An oxidation agent」と複合名詞でも表現できます。
2011年5月17日火曜日
冠詞ってむずかしいーーー「a」と「the」の違い
I am the researcherと名乗るとき
冠詞って何年やってもむずかしい。
どこで「the」を使い、どこで「a」を使うのか?
考えれば考えるほど混乱してしまう。
なんて思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、きょうは冠詞について、ちょっと考えてみました。
ふつう研究者が「あなたの職業は?」と聞かれたら、「I am a researcher.(私は研究者です)」と答えると思います。
では、いったいどんな時に「I am the researcher.」と「the」を使うのでしょう?
これはある日本人の先生から最近うかがった実話です。
その先生が若いころ外国で学会に参加されたとき、偶然有名な外国の先生方お二人とご一緒に車で会場に行くことになりました。
若い彼は助手席に、年配のお二人は後部座席に。
車が出発すると、後ろのお二人は何とその先生が最近発表した論文の話を始めたのでした。
A先生「この著者を知っている?」
B先生「いや、知らない、まだ若い人みたいだね。」
という話を聞いていた彼は、おもむろに後ろを振り返り、「I am the researcher.」(私がその研究者です)とおっしゃったとか。
いえ、礼儀正しいあの先生のことですから、ちゃんと車を降りてから丁寧にご挨拶なさったことと思うのですが、「I am the researcher.」というフレーズはまさにそういう場面にこそ、ぴったりなのです。
どこで「the」を使い、どこで「a」を使うのか?
考えれば考えるほど混乱してしまう。
なんて思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、きょうは冠詞について、ちょっと考えてみました。
ふつう研究者が「あなたの職業は?」と聞かれたら、「I am a researcher.(私は研究者です)」と答えると思います。
では、いったいどんな時に「I am the researcher.」と「the」を使うのでしょう?
これはある日本人の先生から最近うかがった実話です。
その先生が若いころ外国で学会に参加されたとき、偶然有名な外国の先生方お二人とご一緒に車で会場に行くことになりました。
若い彼は助手席に、年配のお二人は後部座席に。
車が出発すると、後ろのお二人は何とその先生が最近発表した論文の話を始めたのでした。
A先生「この著者を知っている?」
B先生「いや、知らない、まだ若い人みたいだね。」
という話を聞いていた彼は、おもむろに後ろを振り返り、「I am the researcher.」(私がその研究者です)とおっしゃったとか。
いえ、礼儀正しいあの先生のことですから、ちゃんと車を降りてから丁寧にご挨拶なさったことと思うのですが、「I am the researcher.」というフレーズはまさにそういう場面にこそ、ぴったりなのです。
ひと言で言えば「a」とあるときは日本語の「ある」(または「一つの」)、「the」がつくと日本語では「その」。
上の日本語の文章をもう一度見てみてください。
「これはある日本人の先生から最近うかがった実話です。」
この「ある日本人の先生」を英訳すれば「 a Japanese professor」と「a」がつきます。次の行の
「その先生が若いころ外国で学会に参加されたとき、・・・」
この「その先生」は訳せば「the professor」
ですから、aは日本語の「ある」、the は「その」に相当するわけです。
こう書いて行くと実は冠詞ってとても簡単なように思えると思うのですが、何故それがときに難しくなってしまうかというと、日本語の場合かならずしも「ある」と「その」をつける必要はない。前後関係で意味がわかるのであれば、単に「先生」と書くこともできる。でも、英語では必ず冠詞が必要なのです。ですから、日本人にとって冠詞は永遠の課題、と言うのは言い過ぎで、単に「慣れてない」だけのことだと思うのです。
これから英文を読んだり書いたりするときに、ちょっと冠詞に気を配るようにしていくと、冠詞って意外とやさしい、って思えるようになるかもしれません。
こう書いて行くと実は冠詞ってとても簡単なように思えると思うのですが、何故それがときに難しくなってしまうかというと、日本語の場合かならずしも「ある」と「その」をつける必要はない。前後関係で意味がわかるのであれば、単に「先生」と書くこともできる。でも、英語では必ず冠詞が必要なのです。ですから、日本人にとって冠詞は永遠の課題、と言うのは言い過ぎで、単に「慣れてない」だけのことだと思うのです。
これから英文を読んだり書いたりするときに、ちょっと冠詞に気を配るようにしていくと、冠詞って意外とやさしい、って思えるようになるかもしれません。
Temperature(温度)に冠詞はつくの?
科学英語の特徴---抽象名詞が普通名詞に変わる!
温度や圧力など、物質の性質を示す名詞は抽象名詞といって、ふつうは冠詞がつきません。例えば、「一般に化学反応の速度は温度の上昇につれて増加する」は
温度や圧力など、物質の性質を示す名詞は抽象名詞といって、ふつうは冠詞がつきません。例えば、「一般に化学反応の速度は温度の上昇につれて増加する」は
「The speed of chemical reactions in general increases with an increase in temperature.」となり、ここで temperature は無冠詞です。
ところで、「水は他の液体よりも高い温度で沸騰する」という文章は
「Water boils at a higher temperature than other liquids.」となり、temperature には不定冠詞の a がついています。
これは、温度という抽象的な概念を示す抽象名詞だったtemperatureがある一つの数値としての温度(例えば100℃とか、37℃とか)を表す普通名詞に変わったからなのです。
では、次の例はどうでしょうか?
A thermodynamic diagram with temperature as abscissa and pressure as ordinate.(温度を横軸に、圧力を縦軸にとった熱力学線図)
ここではtemperatureは圧力(pressure)と同様に、温度という抽象的な概念を表す抽象名詞なので無冠詞です。
もう一つ例をあげましょう。
Some precipitates lose water readily in an oven at temperatures of 110℃ to 130℃. (沈殿の中には110℃〜130℃の温度の乾燥器中で簡単に脱水するものもある。)この場合temperaturesは110℃〜130℃の間にある複数の温度の値(例えば110℃, 111℃,112℃,113℃など)を指しており、普通名詞になっているのです。
では、次に定冠詞をとる場合をあげておきます。
The boiling temperature of water is 100℃.(水の沸点は100℃である。)
単に沸点と言っただけではいくつもあるのですが、水の沸点と限定されるとただ一つに決まる。ただ一つしかないものには定冠詞の「the」がつくわけですね。
その他、覚えておきたい例として室温のroom temperatureがあります。
これは無冠詞で、RTなどと略されることあります。
2011年3月12日土曜日
複合名詞(Noun Compounds)基本編
科学英語の特徴はClear and Concise。つまり同じ内容ならば、より少ない語数で表現することが好ましいのです。
そのための手段の一つがNoun Compounds(複合名詞)。
そのための手段の一つがNoun Compounds(複合名詞)。
ここでちょっとお断りしておくと、厳密には、英語のNoun Compoundsと日本語の複合名詞とは完全に同じではありません。英語のNoun Compoundsは、複数の名詞を組み合わせることにより、新しい名詞ができているのですが、日本語の複合名詞では、名詞のほかに形容詞の語幹が組み合わさっている場合もあるのです。ただ、下記の例をご覧いただくとおわかりのように、多くの場合、英語のNoun Compoundsと日本語の複合名詞はよく対応しています。
では、実際にNoun Compoundsとしてはどのようなものがあるか、みてみましょう。
scienceという名詞を含むNoun Compoundsの例をあげてみます。
science activity 科学活動
science analysis 科学解析
science boom 科学ブーム
behavior science 行動科学
cell science 細胞科学
disaster science 災害科学
police science 警察科学
さて、このNoun Compounds、実は私たちが英語で文章を書こうとするときに大変便利なツールなのです。
簡単な実験レポートから、高度に専門的な学術論文まで、科学英語を書くときに悩むのが、冠詞や前置詞。
例えば「溶媒を蒸留するための装置」を英語で書きたいとき、溶媒、蒸留、装置はそれぞれsolvent、distillation, equipmentとすぐにわかるけれど、distillationに冠詞は必要か、solventは単数にするのか複数にするのか、などと長いこと悩んでしまい、「equipment for the distillation of solvents」という名詞句がさっと作れないなどということはありませんか?
ところで、この6語の名詞句は、Noun Compoundsを使うと、solvent distillation equipmentとたった3語で表現できるのです。その上、こちらの表現の方が、論文などwritten textでは好まれます。
同じことは日本語でも言えて、 「溶媒を蒸留するための装置」より「溶媒蒸留装置」と複合名詞を使用した方が簡潔で、論文などにはふさわしいですよね。
それでは、Noun Compoundsの基本的な構造について解説します。
ここで左端(頭)にある名詞(ここではequipment)をhead nounと言います。
Noun Compoundsを作る際は、このhead nounが右端におかれ、残りの語はhead nounを修飾する語(qualifier)としてその前に置かれます。
head nounについている冠詞を除き、すべての冠詞と前置詞は省略されます。
さて、ここでdistillationとsolventsという残りの名詞の語順が問題になりますが、もとの名詞句でhead nounに近く置かれていた名詞がnoun compoundsになってもhead nounの近くに置かれます。
つまり、distillationの方がequipmentの近くに置かれるわけです。
solvents distillation equipment
ところでここでもう一つ気をつけるべきことがあります.
名詞が形容詞的に使われる時,複数形は単数形に変化します.
ここではsolventsのsが取れて,下記の形になります.
solvent distillation equipment
もう1つ例をあげましょう。
A system for the purification of water has been developed by our group.
(水を浄化するためのシステムが我々のグループによって開発された)
下線部分をNoun Compoundに変えてみましょう。
(水を浄化するためのシステムが我々のグループによって開発された)
下線部分をNoun Compoundに変えてみましょう。
head nounはなんですか?
そう、A systemですね。
残りの名詞はpurificationとwaterですが、purificationの方がhead nounに近いので、
正解は A water purification system となります。
正解は A water purification system となります。
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