翻訳の授業を始めたものの、すっかり開店休業状態になってしまっていてごめんなさい。
9月は国際会議と国内会議の両方に参加することになり、しばらく手一杯なので、この授業は10月から再開いたします。よろしくお願いいたします。
明日からスペインのバレンシアで開かれる国際会議ICCC40(International Conference on Coordination Chemistry)に参加します。blogの頁にリアルタイムで情報をお伝えする予定ですので、よろしければそちらもご覧ください。
2012年9月7日金曜日
2012年7月26日木曜日
翻訳のすすめ
科学英語から少し離れるかもしれませんが、英語力を高める一つの手段が翻訳ではないかと私は思っています。
みなさんには、これまでにたくさんの「英文和訳」の経験があることと思いますが、翻訳と英文和訳は違います。
英語で書かれている「情報」をすべて日本語に移すこと。ニュアンスも含めて。
それが翻訳。
つまりその英語を英国人が読んだときに受け取る情報と同じだけの情報をその日本語を読んだ日本人に伝えること。それが翻訳だと思うのです。(むずかしいことですが。。。)
翻訳をしてみると、自分がその英文をどれだけ正確に読み取っているかがわかります。
英語の意味はわかるのだけど、どうしても日本語にならない、と思うときには、もう一度その英文を読んでみてください。わかったつもりになっていたけど、実はわかっていなかったことに気づく事も多いのです。
さて、前置きはこのくらいにして、早速翻訳にチャレンジしてみませんか?
下の文章は英国のオクスフォード大学出版局が発行した「The New Encyclopedia of Science」シリーズからとった「司法化学」という一節です。学生から一般の社会人まで、最新の化学的知識に触れたいと思う人たちを対象にしているこの本。とても読みやすくて面白いですよ。
来週、日本語訳を掲載します。
みなさんには、これまでにたくさんの「英文和訳」の経験があることと思いますが、翻訳と英文和訳は違います。
英語で書かれている「情報」をすべて日本語に移すこと。ニュアンスも含めて。
それが翻訳。
つまりその英語を英国人が読んだときに受け取る情報と同じだけの情報をその日本語を読んだ日本人に伝えること。それが翻訳だと思うのです。(むずかしいことですが。。。)
翻訳をしてみると、自分がその英文をどれだけ正確に読み取っているかがわかります。
英語の意味はわかるのだけど、どうしても日本語にならない、と思うときには、もう一度その英文を読んでみてください。わかったつもりになっていたけど、実はわかっていなかったことに気づく事も多いのです。
さて、前置きはこのくらいにして、早速翻訳にチャレンジしてみませんか?
下の文章は英国のオクスフォード大学出版局が発行した「The New Encyclopedia of Science」シリーズからとった「司法化学」という一節です。学生から一般の社会人まで、最新の化学的知識に触れたいと思う人たちを対象にしているこの本。とても読みやすくて面白いですよ。
来週、日本語訳を掲載します。
2012年1月17日火曜日
動詞が形容詞として使われるとき
コンパクトでクリアーな文章が好まれる科学英語では、関係代名詞を用いずに、動詞が分詞の形で名詞を修飾することが多々あります。
とくに一文が長くなる傾向がある論文では多用されています。
A series of nickel(II) complexes comprising N,N,N',N'-tetramethylethylenediamine (tmen), benzoylacetonate (bzac), and a halide anion (X), Ni(tmen)(bzac)Xn(H2O)(n=1~4, X= Cl, Br, I), have been synthesized.
論文のアブストラクトの最初の1行ですが、comprisingという現在分詞により5文型中最も単純な第1文型(S + V)となっています。(関係代名詞を使うと複文になる)
つまり、主部は
A series of nickel(II) complexes comprising N,N,N',N'-tetramethylethylenediamine (tmen), benzoylacetonate (bzac), and a halide anion (X), Ni(tmen)(bzac)Xn(H2O)(n=1~4, X= Cl, Br, I),
述部は
have been synthesized.
(Publicationsの「論文ダウンロード」をクリックすると全文を見ることができます)
さて、それでは動詞を形容詞として使うときに注意するべき点は何でしょう?
それは現在分詞と過去分詞のどちらを選ぶのか、ということです。
選択に迷ったときには、進行形と受動態を作ってあてはめ、文意に合うかどうかを見てみましょう。
例えば 「酸化剤」というのは「酸化する」「剤」(薬)ということなので
An agent which is oxidizing. → An oxidizing agent となります。
逆に「酸化アルミニウム」というのは「酸化された」「アルミニウム」なので
Aluminum which is oxidized. → Oxidized aluminum となります。
それでは、生じた沈殿は英語にするとどうなりますか?
「生じる」に「result」や「occur」などの「自動詞」を用いると、
A precipitate which is resulting (occurring). → resulting (occurring) precipitate
一方、「生じる」に「produce」や「generate」などの「他動詞」を用いると、
A precipitate which is produced (generated). →produced (generated) precipitate
となります。
もう一つ、気をつけたいのは、過去分詞を置く位置。通常は名詞の後に置きますが、名詞の前に置くか、後に置くかで意味が変わることもあるのです。
それでは質問です。「使用した溶媒(solvent)」。次のどちらが正しい表現ですか?
1。 a used solvent
2。 a solvent used
正解は2。
1は「使用済みの溶媒」という意味になってしまいます。Used cars(中古車)が「使った車」という意味にならないのと同じです。
おまけのひとこと。
「An oxidizing agent」は「An oxidation agent」と複合名詞でも表現できます。
「An oxidizing agent」は「An oxidation agent」と複合名詞でも表現できます。
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