2011年5月17日火曜日

Temperature(温度)に冠詞はつくの?

科学英語の特徴---抽象名詞が普通名詞に変わる!


温度や圧力など、物質の性質を示す名詞は抽象名詞といって、ふつうは冠詞がつきません。例えば、「一般に化学反応の速度は温度の上昇につれて増加する」は
「The speed of chemical reactions in general increases with an increase in temperature.」となり、ここで temperature は無冠詞です。
ところで、「水は他の液体よりも高い温度で沸騰する」という文章は
「Water boils at a higher temperature than other liquids.」となり、temperature には不定冠詞の a がついています。
これは、温度という抽象的な概念を示す抽象名詞だったtemperatureがある一つの数値としての温度(例えば100℃とか、37℃とか)を表す普通名詞に変わったからなのです。

では、次の例はどうでしょうか?
A thermodynamic diagram with temperature as abscissa and pressure as ordinate.(温度を横軸に、圧力を縦軸にとった熱力学線図)
ここではtemperatureは圧力(pressure)と同様に、温度という抽象的な概念を表す抽象名詞なので無冠詞です。

もう一つ例をあげましょう。
Some precipitates lose water readily in an oven at temperatures of 110℃ to 130℃. (沈殿の中には110℃〜130℃の温度の乾燥器中で簡単に脱水するものもある。)この場合temperaturesは110℃〜130℃の間にある複数の温度の値(例えば110℃, 111℃,112℃,113℃など)を指しており、普通名詞になっているのです。

では、次に定冠詞をとる場合をあげておきます。
The boiling temperature of water is 100℃.(水の沸点は100℃である。)
単に沸点と言っただけではいくつもあるのですが、水の沸点と限定されるとただ一つに決まる。ただ一つしかないものには定冠詞の「the」がつくわけですね。

その他、覚えておきたい例として室温のroom temperatureがあります。
これは無冠詞で、RTなどと略されることあります。





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