2017年11月13日月曜日

自動詞から受け身は作れない

化学英語では「受け身の表現が多用される」ということはご存知ですか?

例えば「化合物Aを合成した」という文章は

「I synthesized Compound A.」と書くよりは

「Compound A was synthesized.」とする方が自然です.

なぜか? ここで重要な情報としては「化合物Aができた」ということであって「誰が」合成したかはどうでも良いから.

明瞭(clear)で正確(correct)で簡潔(concise)であることが求められる化学英語は内容が明瞭かつ正確に伝わる限り,短い方が良いのです.

日本語では「私」を省いて「化合物Aを合成した」という文章を作ることができますが,英語では主語「I」を省けないので,物質を主語とした受け身が使われるわけです.

ところで「化学英語では受け身の表現が多用される」ということに慣れてきた方にとっての思いがけない落とし穴が「自動詞を受け身にしてしまうパターン」

それではここで質問です.
「中和反応が起こった」の英訳は次のどちらが正しいでしょうか?

A. A neutralization reaction was occurred.

B. A neutralization reaction occurred.





















答え Bの「A neutralization reaction occurred.」が正しい.occurは自動詞なので,受け身を作ることはできません.


参考)「化学英語30講」73ページ

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